定例会実施報告
平成29年 4月12日(水)
一般社団法人全国設備業IT推進会
関西意見交換会 報告
4月12日(水)、大阪・パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社様に会場をお借りし、設備業の方々をお招きして「関西意見交換会」を開催しました。関西での意見交換会は今回が初開催です。
井上幹事長より開会のご挨拶の後、【第一部】では、「エネルギー事情と電力の自由化 ~これからの住宅~」と題して、パナソニック株式会社 エコソリューションズ社 五郎丸様より、わが国のエネルギー問題・今後の日本のエネルギー政策等についてご発表いただきました。
また、当会運営委員(大阪府電気工事工業組合 理事)松倉様にご登壇いただき「電気工事業の現状とIT動向、そして今後の課題について」お話を伺いました。
【第二部】のグループディスカッションでは、物件規模・工事形態別に4グループに分かれて、設備業の皆様に業界の現況や課題について、またITへのご意見等をお伺いしました。
その後ディスカッションのまとめをグループ発表しました。
最後に、橋本代表理事よりご挨拶いただき、盛況のうちに閉会となりました。
日時 |
平成29年4月12日(水)13:30~18:00 |
場所 |
パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社 本社 |
内容 |
【挨拶】 |
エネルギー事情と電力の自由化 ~これからの住宅~
パナソニック株式会社 エコソリューションズ社
住宅エネマネ市場開発センター 近畿市場開発課 課長 五郎丸 啓三 様
エネルギー事情
- 環境問題 ~地球温暖化~
- エネルギー問題 世界と日本
- 日本の省エネルギー対策、エネルギー事情、消費と原因
エネルギー政策~電力の自由化
- 電力システム改革の必要性・目的・展開
- 広域的運営推進機関の創設
- 発電・送配電・小売のイメージ、各事業者の改革後の姿
これからの住宅
- 政府のエネルギー政策で取り巻く環境が変化
- 住宅の省エネ水準
設計基準数値に対する一次エネルギー消費量の削減率により、 住宅性能が評価される
LCCM住宅・ZEH・認定低炭素住宅・一般住宅 - エネルギーマネジメント(エネマネ)への取組み
スマートHEMSの概念・のコンセプト
スマートHEMS展開の方向性 ~時流に応じた『お得』の訴求~ - パナソニックの取組み
スマートハウスからスマートシティへ
まとめ
- 電力システム改革(電力自由化)
- 住宅の省エネ化(ZEH住宅普及)
電気工事業の現状とIT動向、そして今後の課題について
~組合及びパソコン同好会を通して見えるもの~
一般社団法人全国設備業IT推進会 運営委員 松倉 靖浩 様
(大阪府電気工事工業組合 理事)
※「提案型技術営業研修会」⇒「スキルアップ研修会」の中の「提案力向上研修」と名称変更。
- 発送電分離とは
・電力システム改革について
・電力自由化について、全面自由化後の状況
・電力会社のあり方はどう変わった?地域の電力会社はさらにどう変わる?
・送配電部門の分社化
・都市ガスの自由化、ガスの自由化の影響 - 発送電分離2020年導入、電気工事業界への影響
・電力申請はどうなる?窓口変更の情報に敏感に!
・送配電設備への設備投資はどうなる?
・竣工検査、定期調査業務その動向は?
・電力小売の競争に伴い、電気工事分野でも新たな動きが出る可能性あり
・調査業務、引込線工事 発注量の減少、委託費の減少はあるか?
・発送電分離を電気工事の発展に繋げよう!
・「オール電化」の今後は?
・お客さまとの関係は?
・「太陽光発電」の今後は?
・電気自動車はどうなる?
・電気購入先の決定の主体はお客さま
・事業発展につなげるために心がけるべきこと - 課題と思われる業界の動き・傾向
・昨年11月より、関西電力㈱の低圧工事申込みがインターネット申請のみとなった
・電気工事事業者の拾い出しを含めた積算能力に問題が有る
・第二種電気工事士資格の取得者の質が変わってきた
- 年配の方にCADソフト等を教えるのが難しい
⇒パソコンに慣れていない、互換性がよくない - 見積ソフトは?
⇒ソフトが高い
⇒過去のデータを読み込むのが難しい
⇒見積ソフト間で共有フォーマットだけ
⇒民間でも最初は工数メインで見積書を作る
⇒根拠が必要 - 拾い出しソフトは?
⇒手で拾い出ししている
⇒住宅は1箇所いくらで計算する
⇒CADの測定機能を利用する
⇒タッチパネルがいい
⇒CADで拾い出すと二次元だと立上下が考慮されない
⇒見積と拾いを分離したソフトもある
⇒体験版を使用してから購入する - 見積ソフトを購入しても信用できない
⇒結果が出た後は手作業にて編集する必要がある
⇒教育の面でソフト導入する
- 写真管理、請求書はExcelを使用している
- Ipadを使用している(ワンノート、エバーノート) ⇒費用がかかる
- Excel
- 蔵衛門(くらえもん) ⇒施工箇所が多いと面倒なのでスマホで行えるソフトが欲しい
- 黒板を事前に埋め込むソフト
⇒国は認めてる(改ざん検知ができるソフトならOK)
⇒狭いところ、暗いところでも黒板を好きな場所における
⇒年間1台1万2千円
⇒画質は抑えられる - IT技術は進化している
- Ipadがあればカタログもいらない
- 後処理でのITの活用
- 民間で施工計画書 ⇒電気工事単体ではあまりない
- KY活動(危険予知活動)が面倒
⇒元請けによってまちまち
⇒リスクアセスメントを作成するソフトは作成している
⇒データ化して簡単にしていいものか
⇒危険活動を分析するためにもデータ化 - 原価管理は?
⇒Excelで入力している、過去のものと比較できる
⇒現場ごと得意先ごとで管理している
⇒積算ソフトと原価管理を連動させる
⇒見積段階(予定)と原価管理(実質)段階では原価が違う - 日報は?
⇒手書き、LINE、Excelで入力 - Excelが優秀
⇒ネットで調べたらやり方がわかる、マクロを組める - 売上、入金は?
⇒会計ソフト(やよい)を使用している
⇒使わない
⇒未成工事支出金を処理しきれない
- 名刺管理
⇒名刺アプリEight(エイト) 会社みんなが共有できる - アプリは安いのにソフトは高い
⇒市場規模の問題 - FAXの送付状を簡単に作成するソフトがほしい
⇒複合機でできるのがあるかもしれない
⇒FAXの使用頻度は減った
⇒システム化したい
⇒LINEの既読機能のようにFAXを開封確認できるとよい - LINEを会社で使用したらデータベースに入れられる
- 安価にソフトを提供できるように企業努力すべき
- Excelは優秀で良いが、ソフトと比較しながらセミナーを開きたい
- 入札情報収集が大変 一括収集可能なツールが欲しい
自衛隊、法務省、神戸大学など(4~5社)大阪市交通局、万博など各協会の入札情報
ネットサーフィン1週間2~3回(30~40コンテンツ) 中央省庁などは施工実績重視 - 大阪府土木案件開示 3年後
- 設備案件開示 黒塗り多い
- 図面読み込みから自動見積もり作成が欲しい
- 電気工事に含まれる土木工事の扱いに困っている
(機械設備工事には建築、電気を含んでる場合が多い) - 分離発注をしてほしい 組合等から申し入れなどが必要
- 図面、数量表が間違っている事が多い 11月発注の工事が注意
- 昔は大阪府→管理会社→業者 今は、大阪府→業者
- 土木工事でITロボット活用、電気工事でロボット活用にならないか
交通整理員(ガードマン)のITロボットなど - 電気工事の3次元CAD化(3次元力)、向上必要 BIM
- 従量制のCAD 3次元にて元請けと取り合い検討する
- ダンピングしない!根拠しめせる、Noと言えるためのIT化
- 「もっと安価に」と「使いやすさ」
- 人材の育成(教育、失敗シュミレーション) ⇒教育プログラム、AI化、ロボット
- 危険予知(VR、経験、瞳孔分析) ⇒360カメラ、経験値を活かしたシステム作り、ウェアラブル
- IT投資への経営負担(パッケージだと高額) ⇒クラウドの活用、ソフトの課金システムの変革
- ITの情報量が多い(本当に必要な情報の選定) ⇒業務スピード化(必要のない情報の削除)、KDKも!
- 人件費から必要な工事量、材料等付随する要素から逆算して必要な利益値を出すようなシステムが必要
- 人事評価については各社の基準があり簡単にはシステム化するのが困難
- ベースのテンプレートを用意し各社独自の評価基準を追加できるようなシステムが望ましい
- 業界独自の人事評価基準を作れると良い ⇒基礎となる電気工事業人事評価システムになる
- AI技術を活かすと一般的な評価ができる(図面作図の自動化も将来現実になる)
- AIやロボットなどで自動化されていく中で、マネジメントを出来る人材が求められてくる
- システムの利用せずにこのまま工事を主体に続けて行こうという企業が多い
- 工事主体より補助金等のお客様にメリットがある提案を出来る会社が残ってきている
- 「見積りとは何ぞや、歩掛とは何ぞや」と言う教育がまだまだ必要、システムだけ入れても解決しない
- 過去のどんぶり勘定体制から抜け出せない、家内営業だけの会社はその体制を引き継ぐ傾向あり
- 敢えて教育をしない企業もあり(独立、お得意先を持っていく可能性などが脅威)
- 今までの業務の流れをISOに当て込みフレームワーク化することで、社内の基準を作れる
- 規定を社員で共有することで、新入社員などにも取り組みを統一化できる
- ISOに則って基幹システムを構築している場合が多いので、利用することで課題解決の可能性あり
- 業務ごとにパッケージを上手く活用して効率化している会社は多いが、情報の連携が出来る物が無い
- 官公庁・民間と工事種別によって向いているシステムを使い分けた方が効率が良い
⇒複数システムの導入によって見積り比較し精度を高めることが出来る
- システム導入を行っている会社は実行予算、原価管理で状況の把握をしている(少数)
- 出来高管理で実績を把握している
- 工事主体の企業が大半、メーカーとして製造販売設置まで行っている企業もある
- 過剰仕入などで赤伝票で数か月後の返金を待つより、「コーナン」等の小売店で購入して工事後の残材料を返金する等の対処をしている
- ネット通販「モノタロウ」等を利用することで無駄を省くことが出来る
- 材料店の販売体制の改革なども求められている
- 人件費については細かく管理している、人によって単価が異なるため現場配置も考えている
- 大きい現場は注文書を取得
- 小さな現場は口頭での発注もあり
- 第3種電気工事士の資格も陳情して検討している
- 外国人労働者の利用については、早急に検討していく必要あり(現状、3年間しか利用できない)
- 電気工事は10年位のキャリアが必要、年齢不問の業界にすることで人員減少は歯止めがきく
- 廃業する場合は、従業員の受け入れ態勢を組合で構築しており業界からの人材流出を防ぐ
- 若い人達が業界に入りやすい環境づくりを進めている、親が止めることが多いため父兄の意識改革が必要
- 「物づくり」の楽しさを広めていきたい
- 組合だからこそ課題を解決できる基礎がある
【閉会挨拶】 橋本代表理事
今回、関西での意見交換会は初開催だったが、関西の方々の熱いご意見が飛び交い、非常に活発な討議となった。ITベンダーと設備業者の皆様とが、今回のように一緒になって意見交換をできるというのは素晴らしいことだと思う。今後は関西でも定期的に開催をしていきたい。
関西意見交換会のあとは、懇親会を開催しました。 |
ご参加いただきました皆様、大変貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。
今後も定期的にこのようなイベントを開催し、設備業界の更なる活性化に取り組んでまいります。
引き続きご理解とご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
一般社団法人全国設備業IT推進会 運営事務局
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