2024年12月18日(水)に、設備業の方々をお招きして意見交換会を開催いたしました。
開会挨拶、イントロダクション(参加設備業者様の紹介)のあと、当会の「働き方推進委員会」「消防防災DX推進委員会」「設備業DX推進委員会」「システム連携推進委員会・設備共通EDI推進委員会」の取り組みに対して、活発な意見交換が行われました。
設備業の方々からは現在の状況について、また委員会から設備業の方々にお聞きしたいこと等を詳しく聞くことができました。
意見交換会で出されたご意見の一部をご紹介いたします。
日時:2024年12月18日(水)14:00~
場所:ピー・シー・エー株式会社
Zoomによるオンライン同時開催
働き方推進委員会
インタビュー動画「経営者必見!とつぜん来る労働基準監督署の調査をどう乗り切ったか」を公開します
■アンケートにご回答いただく事で、動画の関連資料をご提供させていただく予定です。
どのような資料だと「うれしい」でしょうか?
- 36協定や就業規則サンプルに関してはネットに出ているが、社労士の先生から設備業界目線で年頭に提出する際に気を付けるポイントなどをまとめてもらえると嬉しい。
- 書類の作成は社労士の先生に任している。
- 休日出勤届はNG、申請でないといけないルールは初めて知ったので、これだけでも今日来てよかった。
- 社労士の先生に相談しながら作成している。相談できる先がある会社はサンプルよりも事例がもらえると嬉しい。
- 知らない間に違反している場合もあるので、○×形式でセルフチェックができる資料などがあるといい。
- FAQのようなものも読み物として面白い。
- 労基に相談すると親身になってアドバイスがもらえる。労基に相談するためのマニュアルがあるといい。
- どこからがアウトなのかグレーな部分を聞ける、チェックする場所があるといい。
- 就業規則のほかにも規定が増え全部を読み込むことが難しい。押さえるポイント等を紹介していただきたい。
消防防災DX推進委員会
消防設備事業者が求めるDXとは
■消防業界のDXで何に取り組みたいか
- 受発注をDX化したい。
日々の取引が細かく、受注の半分が注文書を取り交わしていない。少額取引でも簡単にお互いの意思確認ができるようなシステムがあるといい。 - 1日で3~4件、午前午後などで様々な現場に行くことが多いので、顧客管理に伴った図面や写真、点検表の管理が一元化できると楽になる。緊急工事や引き継ぎの際に情報共有ができるといい。
- 管轄の消防署によって申請書式が違う。全国どこでも電子申請ができる体制をつくる動きはあるがなかなか進んでいない。簡素化する流れは起こっている。
- 受発注に関しては電気設備業界でも必要なのでDX化で解決できるなら興味はある。
- 図面や写真の履歴・進捗管理ができるようなシステムがあれば社内外で共有できる。情報共有のプラットフォームがあるといい。
- 点検結果は3年分は紙ファイルで残し、それ以降はデータで残している。
現場でタブレットを持ちながらチェックできれば紙は必要なくなるとは思うが、緊急で調べたりする時は紙があったほうが便利だし、今はまだ紙の点検表を持ち歩いてチェックしているのが現状。 - 紙は折ってポケットに入れられるなど便利な部分もあり、タブレットを持ち歩きながら点検作業をするのは邪魔になる場合もある。ただ、タブレットなら現場ですぐ点検表ができるので、事務所で作成する手間は無くなる。考え方次第と感じる。
長く現場にいる方にはタブレットでの点検作業はハードルが高い。ITで育った若い方はそこまで抵抗はない。 - 東京電力の調査業務は今年度からタブレットに移行する元年。
東京電力専用のタブレットでスマホはNG。
タブレットは現場と事務所での二重チェックが可能。作業漏れを無くせる。チェック時間も自動で記録できる。雨の日など紙は弱い。
紙はチェックしたあと報告書を作成するが、タブレットならチェックして終わり、報告書になる。
■写真管理(ウェアラブルカメラの活用)について
- 現場調査の専門知識を持つ人が現場に行けない場合も代理の人がカメラを持って進めることができる。
- カメラの利点は記録ができ、見返しもできる。人の記憶は意外と曖昧。(動画がメイン)
- スマホをウェアラブルカメラにできるアプリがあり、同時に何人でも共有できる。専用のウェアラブルカメラを送る手間も省ける。
■デジタルに対しての投資額について
- 売り上げよりも人件費で考えるほうがシンプル。
例:人件費 1~2人分
■その他
- 消防設備の点検業務でスマホ2台とタブレットを工夫して2000平米を1人で検査している人がいる。
- 点検報告書の作成が大変なので、現場で簡単にできるようになるといい。
- 無線式の自火報が開発されれば施工時間が短縮される。
- 大手サブコンは自社のタブレットを購入するよう圧力がかかる。民間の工務店はANDPADで請求までやってほしいと言われる。それぞれの会社によって使い方が様々なので使い方を覚えるのが大変。
- 会社のLINEに壊れた箇所を動画で送ってもらいメーカーなどを確認し施工を実施している。
設備業DX推進委員会
実態調査について
■新サービス「設備業DX実態調査2025」について
- 組合からお願いしても組合員が答えるかは疑問、強制力はない。
- 最終的なゴールが見えてない。「このアンケートをやればこうなります」といった明確なものが必要。
「これやると儲かる」「これやると人が集まる」など具体的な方策に基づいたなかでのアンケートにしたほうが集めやすい。 - 「DX」に対しての温度差がある。
- 会社をこうしたいという目標がある中での手段が「DX」だったわけで「DX」がゴールではない。
DXの仕組み作りから社員と考えていかないとうまくいかない。アンケートを何のために回答するのか分からないと組合に勧められない。
■組合として組合員に何かヒアリングをしているか
- 岩手県は年に1回アンケート(実態調査)をとっている。
- 全管連では4~5年に1回で実態調査を行っており、県によって温度差がある。回答率を上げるのは課題であり、なかなか難しい。
- 東京都消防設備協同組合は今年度実態調査を行ったが回収率は苦戦しているようである。
本部からの連絡をメールでいいか(FAXでなく)というアンケートも含めた実態調査であり、DXの実態調査をする以前の問題、まだ早いのか。 - 東京都消防設備協同組合では東京消防庁との意見交換会を実施予定で、意見の集約を行っているが回答は少ない。
- 関青連でも会員増強をさせるためのアンケート実施について討議している。
ゴールや対象年代を明確にしないとアンケートに反対する人もいる。
■実態調査(アンケート)以外でニーズを把握するには
- チャット遊びのようなものに答えていくことで課題を抽出し結果をフィードバックする仕組みはどうか。
- アンケートは地域差や年代差もあるので対象の見極めも必要ではないか。
- 親会から青年部に落としてもらう、または青年部に直接依頼し親会へ報告するなど。
- システムの問題もある。全員の手元に届いてない、届いても見ていない。より多くの人に正確な情報が伝わるよう広報の仕方を改善していかなければいけない。
「第3回建設業&設備業DXフェア」の充実(2025年4月18日開催)
■集客ご協力のお願いについて
- 関青連が主催(共催)の立場であれば組合員メンバーを誘いやすい。
- 「DXフェアやるので」ではなく、成果を持って帰れるのが一番の宣伝になる。
- SNSの有効活用による宣伝が集客力があるのではないか。
- 幅広く声がけをするのであれば全国団体にアプローチするのが広がるのではないか。
- 親団体では1つの団体をプッシュするのは難しいので青年部中心にPRしていく。
システム連携推進委員会
各業務のデジタル化と業務間のシステム連携について
■カオスマップについて
- DXなのに紙で配るのか?紙でくばるのであればQRコードをつけてスマホからも見えるように。
- ソフト名を押せばそれぞれの製品のサイトに飛ぶといいのでは。
さらに連携するソリューションが表示されればなおいい。 - カオスマップ上で興味のあるソフトをクリックすれば連携できるソフトが拡大される方がいい。
各社の繋がっている資料は読み解かない。 - 色で表示されるのはどうか。
- 機能比較表があるとみやすい。
■システム連携の可能性について
- 公共工事の施工計画書を作成するのが大変。参考数量書から自動で作成してくれると助かる。
- カオスマップ上にあるどの製品(推進会に加入しているメーカー)を選んでも連携すると嬉しい。
設備共通EDI推進委員会
伝票業務のデータ化と紙の削減について
■受発注業務における伝票業務のデジタル化による業務の改善効果について
- 見積書関係は困っていないが、注文書請書は大手は来るが民間は後からが多く、今後の課題としてきちんとやっていかないといけないと思っている。
請求書は随時電子化するよう進めている。 - 見積から発注が連携できるといい。
拾いで数間違い、頼み忘れがあったり、売上伝票のあげわすれがある。現場の工程管理も含め、どこまで終わっていてどこまで売上げをあげているのか見えるような連携ができるといい。 - 見積から請求書まで一元管理化できていない。
工事と営業・事務の連携が不足している。注文書請書交わしていないのに現場がスタートすることがある。注文書業務のみならず現場にも共有できるような体制をつくりたい。 - 社内にPC好きな人がいて自分たちで作っている、それを共有しているので全く負担になっていない。
- 請求書は郵送することがほとんどだがkintoneの顧客管理から出せるので間違いはないが、お客様によるので完全電子化はできない。
- 電材卸しをしているが、様々な媒体で注文がくるのでメーカー発注の変換に手間が掛かる。データで注文してもらえると効率があがる。
- 様々な種類の資材があるものでも抽象的な注文をしてくる人がいて事務員が具体的な内容を確認している。
井上代表理事より
本日は、多くの工事会社の方々に大変貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。たくさんのご意見をいただきまして、当会としても『次どう進むべきなのか』少しではありますが分かったような気がします。
定期的にこのような機会を続けさせていただき、より良いものを皆さまにご提供できることが私たちの一つの大きな誇りかなと思っております。今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。
ご参加いただいた設備業者様
協栄電工株式会社 様(当会会長)
京栄水道株式会社 様(当会理事)
安藤電気工業株式会社 様(当会理事)
ヤマシタ電気株式会社 様(当会理事)
桧山電業株式会社 様(当会相談役)
シノハラ防災株式会社 様
株式会社勝栄電気 様
株式会社石井電気 様
全国管工事業協同組合連合会 様
当日のタイムスケジュール
■14:00~14:05 開会挨拶(千田会長)
■14:05~14:50 イントロダクション(参加設備業者様の紹介)
■15:00~15:40 ① 働き方推進委員会の発表、意見交換
■15:45~16:25 ② 消防防災DX推進委員会の発表、意見交換
■16:40~17:20 ③ 設備業DX推進委員会の発表、意見交換
■17:25~18:05 ④ システム連携推進委員会・設備共通EDI推進委員会の発表、意見交換
■18:10~18:20 総括・閉会挨拶(井上代表理事)
■18:30~ 懇親会